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ブレイン・アップ!連邦教育研究省の新トップ大学育成策(1月26日)
ブルマーン連邦教育研究大臣は、ドイツに世界のトップレベルの大学を育成するための新プロジェクト「ブレイン・アップ!ドイツはトップ大学を求めてる(Brain up! Deutschland sucht seine Spitzenuniversitaeten)」
を開始する旨述べた(なんだかテレビ番組のタイトルみたいなプログラム名です。)。新プログラムは、公募により選ばれた5つの大学に、2006年より5年間、毎年5千万ユーロの予算を支給するというもの。選考基準は、学術水準、
現代的な経営の進み具合、学生への指導の充実ぶり、国際化の程度、大学外研究機関との協力の度合いとのこと。
ブルマーン教育研究相の改革案に大きな議論(1月20日)
ブルマーン大臣は、フンボルト大学において「教育と研究2010−助成システム改革のチャンス」と題する講演を行った。本講演のポイントは、
高等教育および研究に関し連邦政府と州政府の役割分担を大きく変えるというものであったが、30余年に渡りドイツの教育・研究システムを
支えてきたやり方を抜本的に変えようというものであったため、各方面で大きな議論を呼んでいる。ブルマーン大臣の提案は、連邦と州の共同責任となっている大学建設にかかる助成をすべて州に移譲するとともに、
同じく連邦と州が共同で責任を負うマックスプランク協会、フラウンホーファー協会、ヘルムホルツ協会、ドイツ研究協会に係る助成をすべて連邦政府が担うというもの。各方面からの反応は、大学建設に係る権限
を連邦が投げ出すことはあまりにも無責任、研究にかかる予算措置を連邦のみで行うことは、研究活動に政治が介入する余地を生じさせる等々、批判的なものが圧倒的となっている。
シュレーダー首相、産官学関係者とイノベーション会合を開催(1月15日)
シュレーダー首相は、自身が掲げる「イノベーション・オフェンシブ」政策を具現化するための検討を行うため、自身を含む産学官のトップ17人からなる
会合を開催した(出席者はこちら)。
会合では、ドイツのイノベーション・システムをあらゆるレベルで強化することを目的とした検討を行うため、同じメンバーにより今後定期的に会合を持つこと、それをサポートするための事務局を設置すること、ドイツ発のもの「Made in Germany」の世界市場での競争力強化の
ための方策を検討すること、将来のイノベーションを担う人材育成のために青少年への科学技術知識の普及策を講じること等を含む合意ペーパーが決定された。
この合意ペーパー実現のための具体策については、3月後半に予定されている次回会合で検討される見込み。
主要研究機関がシュレーダー首相のイノベーション政策支持を表明(1月12日)
マックスプランク協会等主要研究関係機関は共同で、シュレーダー首相が掲げる「イノベーション・オフェンシブ」で行われる議論を
歓迎する旨表明した。特に、独の研究開発投資を2010年までに対GDP比3%まで引き上げることは重要で、これを達成することにより大学及び研究
への長年に渡る低予算をストップしなければならないということを強調している(現在のドイツの研究開発投資は対GDP比2.5%)。なお、本意見表明をした機関は
以下のとおり。ドイツ研究協会、フラウンホーファー協会、ライプニッツ協会、ヘルムホルツ協会、ドイツ大学学長会議、マックスプランク協会、ドイツ科学会議
遺伝子技術法改正法案固まる(1月12日)
キュナスト連邦消費者保護・食料・農業相は、遺伝子組換作物の取り扱いをEU指令に合わせること等のために
政府内で検討が重ねられていた遺伝子技術法改正法案が固まった旨述べた。遺伝子技術を使用した栽培法を認めるか否かが
焦点となっていたが、改変遺伝子が他の耕作地に広がらないようにするための予防措置等を義務づけた上で認められることとなっている。
科学技術関係者にとっては、植物の遺伝子組み換えに大きな規制がなされ、研究活動に多大な影響を及ぼすことが心配されていたが、
今次改正においてはそのような研究規制は行われない見込み。同法案は2月半ばに閣議決定され、今夏までには施行される予定。
シュレーダー首相、ブルマーン教育研究相、エリート大学の育成を表明(1月7日)
7日付け首相府のプレスリリースは、シュレーダー首相及びブルマーン教育研究相が世界のトップ大学(エリート大学)をドイツに作ることを表明した旨伝えている。
ブルマーン大臣は、独には世界の一次リーグで競争でき、さらにはそこから抜き出る大学、研究拠点が必要と述べた。また、トップ大学への助成は連邦が重点的に行う旨述べた。
同大臣は別途、テレビのインタビューで10のトップ大学を作るとも述べている。なお、トップ大学は新たな機関を創設するのではなく、既存の大学の間の競争から多様な形で生まれるものとのこと。
社会民主党「ワイマール要綱・イノベーション」を採択(1月6日)
社会民主党は、ワイマールで開催していた党大会において、「ワイマール要綱・イノベーション」を採択した。本要綱では、イノベーションは独の成長と雇用を保証するものであり、明るい未来の鍵となるものと位置づけ、職業教育を含む青少年への教育システムの見直し、
より自由で魅力ある大学の実現、より多くの公的・民間資金の研究開発への投入、研究開発を促進するための各方面からの制度上の見直し等が掲げられている。今後、連立与党のパートナーである緑の党とも協議し、具体的な政策を実現していくこととしている。
シュレーダー首相の次なる重点政策「イノベーション・オフェンシブ」(1月5日)
シュレーダー首相は、2004年の年頭挨拶において、研究・技術分野のイノベーションを強化しドイツを世界のトップレベルの国にするため、
「イノベーション・オフェンシブ」に取り組む旨述べた。5日付け首相府プレスリリースによれば、イノベーション・オフェンシブの重点事項は
研究開発への国家及び経済界による投資増大と、成果をもたらす教育システムの実現とのこと。シュレーダー首相は、この関連で各種メディアに対し、環境面の理由から研究に制限が設けられていることについて
再考すべきこと、エリート大学の必要性についても言及した。
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