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21.7.2003

 

 

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Wissenschaft und Technology in Japan

 

大使館発行の日本の科学技術ニュース情報紙(独語)。

 

    World Health Summitの開催(10月15日:独教育研究省発表)

 

ベルリンのシャリテー(大学付属病院)において、世界保健にとっての重要なインパクトである「World Health Summit」が開催されるにあたり、15日シャヴァン大臣は連邦政府を代表し同会議に参加した世界中の医学者を歓迎した。

同会議では4日間にわたり医学及び保健システムの緊急問題について議論する。例えば土曜日は保健研究がいかにして健康、患者看護の改善のために世界的に貢献できるのかを取り上げる。シャヴァン大臣は「私は今日の後援を喜んでお引き受けしました。それは個別化された医療というものが特に心にかかるからであります。その目標は、患者一人一人に有効な処置を施し、看護するというものです。その際不必要な副作用は回避されなければならず、誰もが自分にとって最善な看護をうける、のです」と語った。研究成果は速やかに利用できるようにするためには、研究と応用の間の移転を機能的にしなければならない。大臣は、個別化された医療は、健康リスク及び病気を早期に発見し、有効な医薬品を開発することに寄与できる、としている。保健研究は2006年に創設されたドイツのハイテク戦略の未来分野の一つであり、今後益々その重要性を増すことになる。

 

 

    気候保護措置は成長と雇用をもたらす(10月14日:フラウンホーファー協会システム及びイノベーション研究所(ISI)発表)

 

20078月連邦政府はIEKPプログラム(総合エネルギー・気候保護プログラム)を展開。これは、ドイツが2020年までにCO2を対2020年比で40%削減するというもの。フラウンホーファーISIは連邦議会が12月に決定した措置のGDP、雇用、消費、投資に対する影響を分析した。

その結果は以下のとおり。

2020年までに雇用者数は、既に決定された措置を伴う「メーゼベルク・シナリオ」により約38万人の増加が可能。

・仮に追加的な措置が講じられればほぼ63万人の新しい雇用効果が可能。

GDPについては約700億ユーロ(既に決定された措置)ないし約810億ユーロ(追加措置)の増加が可能。

・これは同時に発生するエネルギー支出の低下に伴う投資増及び投資の生産性向上効果、更には化石燃料資源輸入減による貿易収支の改善に起因する。

研究所のプロジェクト・リーダーであるDr. Schadeによると「気候保護と成長は、我々の分析によれば良く調和する。戦略的に作成された気候政策(規制、投資刺激策、研究助成からなる)は雇用増へつながり、GDPを上昇させる」としている。

この分析のためISIの科学者は既に決定されている措置及び可能な措置を、企業におけるエネルギー効率化、エネルギー効率の良い建物、道路交通の気候効率化の三つのパッケージに纏めた。成長と雇用効果の増大を、記述した通りの規模で達成するためには各パッケージとも必要である。2020年までの最大の成長インパクトは建物のエネルギー効率的整備、次いで気候効率的な道路交通そして産業・サービスセクターにおけるエネルギー効率化である。企業におけるエネルギー効率化についての影響は2030年まで継続的に大きくなっていく。

ISIの調査は建物、交通、企業の3領域においてより高いエネルギー効率を達成し、2020年までにCO2排出量を40%削減するための多くの措置を示している。

 

 

    マイクロシステム会議2009の開催(10月12日:独教育研究省発表)

 

1012日から14日までマイクロシステム会議2009が開催され、国内の中小大企業、研究機関、関係団体が一堂に会し、イノベーション的な技術応用、研究の将来テーマ等について議論する。同会議では900名の参加者が見込まれている。

マイクロ医学、燃料電池技術、インテリジェント繊維等あらゆる重要ハイテク分野においてマイクロシステム技術の応用が認められる。ドイツは世界的に指導的な研究・生産拠点の一つに数えられる。専門家が推定するところでは、ドイツでは766000人の雇用者が直接又は間接にマイクロシステム技術と関係している。同会議の席上マイヤー=クラーマー次官は「このキーテクノロジーの雇用効果は更に増大し、対2005年度比で雇用者45000人増となっている」と語った。また同時に最近の予測調査によると2020年までに更に250 000人の増加が見込まれると続け、「ここに正に我々がハイテク戦略で求めていることが実際となっている。我々は、新しい成長が生まれる所に力を注ぐ、ということである」と述べた。

同会議はBMBFVDE (Association for Electrical, Electronic &Information Technologies)が共同でオーガナイズしたものであるが、次官はBMBFの基本計画「マイクロシステム」の過去6年間における研究助成に関して肯定的なバランスシートを発表している。BMBFとVDEが作成したトレンド・ペーパーによるとBMBFに助成された企業は特に危機に対する抵抗力のあることが証明されている。最近の調査によると60%がその営業状況をまずまず満足とし、25%もが良好としている。但し分野毎に異なっており、自動車部品メーカー及び機械関連メーカーは医療技術メーカーより不利となっている。医療技術メーカーは危機の中でも成長を遂げている。

医療技術におけるマイクロシステムは際立ったイノベーション・ポテンシャルを秘めている。BIOTRONIK社はマイクロシステム技術のイノベーション的な応用によって医療技術の指導的なメーカーとなった。同社は世界で初めて遠隔監視機能を備えた心臓ペースメーカーを市場に送り出している。患者のデータは完全自動で読み取られ、モバイルテレフォンで担当医師へ送られる。危険な状態には医師が直ちに介入することができる。これはポテンシャルな救急技術ということで、今年度連邦大統領ドイツ未来賞にノミネートされた。