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21.7.2003

 

 

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Wissenschaft und Technology in Japan

 

大使館発行の日本の科学技術ニュース情報紙(独語)。

 

    2010年の連邦教育研究省予算政府案の決定(12月16日)

 

シャヴァーン大臣:「教育と研究における持続性に高いレベルの将来投資を行う」−2010年の予算案に明確な優先付けを行った/おおよそ7%の増加

 

教育と研究における将来の投資は連邦政府において最も優先順位が高いものとなった。経済危機の克服のためには、新しい力やアイディアが必要で、厳しい財政事情にも関わらす、連邦政府予算において教育と研究の持続的な位置を固めた。

 

2010年の予算案では、連邦政府は追加的に7億5千万ユーロを投資する。これは、現政権の期間に教育と研究への支出を120億ユーロに増額するという連立協定の実行の第一歩である。教育研究省の

2010年度予算総額は、前年度比6.9%増の109億ユーロに増加した。

 

大学協定、エクセレンスイニシアティブ及び研究とイノベーション協定の継続を財政の面から保持する。これらの分野に対して、連邦政府は、2011年から2013年にわたり追加的に約25億ユーロを確保する。来年は、大学協定に関しての資金を、新しい教育の場所の建設に対する財政措置等33%増の5億9百万ユーロに増やす。

 

「経歴における教育の強化」には、54%増の2億1千5百万ユーロを措置する。「職業教育の近代化と強化」には、前年比ほぼ2倍(95%増)の1億9千万ユーロを措置する。

 

教育システムの将来のあり方をあらゆるレベルで決定的に変えるために、2010年予算では、財政面での必要条件が盛り込まれた。幼年教育、話すことの支援及び弱能力者の個別の支援を整備する。連邦奨学金や全国的な奨学金プログラムの拡充によって、若者、特に大学教育を受けた家族以外からの出身者に対して教育の負担の軽減を行う。ボローニャの「流動性と品質協定」の終了に備えて、また、大学の教員の強化のために、各州とともに連邦は、よりよい関係とより容易な流動性を導入する。

 

ハイテク戦略は、将来有望な部門でのさらなるイノベーションを支援するためにさらに発展させる。ライフサイエンス、気候、環境及び新技術等の将来有望な部門に対するプロジェクト資金は、総額16億ユーロになり、前年比13%の増加となる。

 

ライフサイエンスへのプロジェクト資金は、約10%増の約5億ユーロ。気候とエネルギー分野には、約7%増の3億8千万ユーロを支出する。また、電気移動の強化と気候保全の支援の基礎となる革新的な電池技術の支援等、新技術への支出を増やす。新技術へのプロジェクト資金は、14%増の7億ユーロとなる。先端研究とイノベーションの強化は、新連邦州において非常に重要であり、これらに対する資金は、1千5百万ユーロ増の1億3千7百万ユーロとなる。他にも教育研究省から新連邦州に対して将来的なプロジェクトへの支援が行われる。

 

 

    連邦教育研究省が東部ドイツの重要先端研究センターを強化(12月11日)

 

 東ドイツにおける六つのイノベーション技能センター(ZIK)は連邦教育研究省(BMBF)の大きな支援によって国際的な研究界におけるトップへの道を見出した。今後はこれらセンターを永続的に確立していくことが重要である。BMBFはこのため更に7000万ユーロを投入し、この6センターを2016年まで助成する。シャヴァーン大臣によれば、これらイノベーション技能センターは成功モデルであり、その新しい構造及び高度の研究焦点によって国内外のトップ研究者を引き寄せ、現在既に地域をはるかに越えて発信力を発揮している。センターの研究者にとって所謂融合性、経済界との協力、基礎研究の枠組みの中でも広がる知識・技術移転等は決して未知のものではない。こうしたことからこれらセンターは他のイニシアティブにとって模範となるものである。

上記6センターとは、例えばZIK OncoRay/ドレスデンは世界のトップテン研究所に数えられ、腫瘍学における医学的放射線研究を研究課題とする。またZIKFunGene/グリースヴァルトはプロテオミクスの分野で世界16位の地位を確保。前期ゼメスターでは応募者2300名に対し受け入れ数113と最も競争率の厳しいものとなっている。この他

CELISCA(Center for Life Science Automation)/ロシュトック

ICCASInnovation Center for Computeraided Surgery/ライプツィッヒ

等。

BMBFのプログラム「イノベーション技能センター:人材の確保‐エクセレンス創設」は2002年にスタート。目標は国際的に発信し、トップの後継科学者を惹きつける、ボトムアップ型の先端研究センターを旧東ドイツ地域に創設すること。これまで二回に及ぶプログラム・ラウンドで14ZIKに対し22000万ユーロを投入している。

 

 

    脳腫瘍の遺伝子情報の解明(12月9日:連邦教育研究省発表)

 

独教育研究省(BMBF)とドイツがん支援協会はドイツががんの分子レベルでの解明を目指す世界最大の国際研究プロジェクトに参加することを支援している。その枠組みの中でドイツがん研究センターが調整役を担う研究共同体がスタートする。5年間の期間を通じ子供の脳腫瘍を分子遺伝子的に研究調査するもの。

 

ICGCInternational Cancer Genome Consortiumがそれで、世界的に指導的ながん研究者が集まる生物医学の大プロジェクトである。その目標は最も重要ながんの種類における遺伝子変異を分析し、それぞれのがん疾病の予防、診断、治療への新しい、より良い基盤を見出すことである。研究結果はがん研究を長期的に前進させるため他の科学者にもアクセルできるようにする。

 

BMBFとがん支援協会は共同で合計約1500万ユーロの資金を5年間で用意する。シャヴァーン大臣は「ドイツの参加はドイツの科学者に向けた重要なサインであるだけでなく、研究開発拠点としてのドイツへの未来志向型の投資である」と語った。

 

国際プロジェクトの枠組みの中でBMBFとがん支援協会は子供の脳腫瘍をテーマとした合同研究を支援する。脳腫瘍は子供の致死率が最も高く、研究結果はその医学的、生物学的な特性を解明するために有用である。大臣は「目標は所謂、髄芽種および星状細胞種の遺伝子情報を完全に解明することにある。この二つは子供の脳腫瘍の中で最も重要なものである」と語った。

 

内容的には

・それぞれの疾病に関して患者300人の腫瘍遺伝因子と健康な細胞を比較し遺伝子の変異を確認する。

・疾病を早期に確認し、疾病の経過を予測し、特定の治療形態を選択できるようにする所謂腫瘍マーカーを発見する。

・新しい治療の手掛かりとなる分子構造を発見する、等となっている。

 

合同研究に関連するのはNCT(腫瘍疾病センター)、EMBL(European Molecular Biology Laboratory)、ハイデルベルク大学、デュッセルドルフ大学、マックス・プランク分子遺伝学研究所となっている。