○ ヨーロッパ最速のコンピュータがドイツにおいてスタート(5月26日)
ヨーロッパ最速のコンピュータがドイツにおいてスタート。シャヴァーン大臣は火曜日リュトガース・ノルトライン・ヴェストファーレン州首相と共にユーリッヒ研究センターにおいて欧州初のペタフロップ・コンピュタを稼働させた。毎秒1000兆回の浮動小数点演算が可能。シャヴァーン大臣はその席で「理論と実験に加え総合的なプロセスのシミュレーションが研究開発において欠くべからざるメソードになっている。基礎研究においても、応用研究のためにも高度の演算能力への重要は増大するばかりである。コンピュータ・シミュレーションは現代の科学に決定的な知の飛躍をもたらすことが多く、またイノベーション的な経済領域における競争に関しては重要な利点となるものだ」と語った。製品化への時間短縮はもとより、材料及びエネルギー等の高価な資源の保護にも寄与するもの。高性能コンピュータはこのためハイテク戦略の枠の中でも大きな重要性を有するもの。
BMBF、ノルトライン・ヴェストファーレン州、バーデン・ヴュルッテンベルク州、バイエルン州はドイツ最高速コンピュータの整備拡充に2015年まで総額4億ユーロを充当する。
この新しいコンピュータはユーリッヒ研究センターが調整する欧州研究インフラPRACE(Partnership for Advanced Computing in
Europe)の枠組の中でも利用されることになる。このスーパーコンピュータ・システムはBMBFが中心となり、現在18の欧州パートナー諸国がこれに参加している。その中で5カ国が国ベースでペタフロップクラスの超高速計算センターの設置を計画(“principal partner“)しており、ドイツはその内の一つ。
○シャヴァーン:「研究強化のために減税を」(5月6日)
シャヴァーン大臣は水曜日ベルリンにおいて「イノベーション攻勢」をスタートさせた。その中心はイノベーション及び成長のための8つの計画。シャヴァーン大臣は「新しい成長はどこからくるのか」と題するハイテク戦略に関する会議において「世界経済は経済危機の後では以前とはことなるものとなる。グローバルな知識に関する競争は更に加速化していく」と語った。「人材、技術、マーケットリーダーを巡る国際競争は益々激化し、教育、科学、研究、開発はその重要性を増し、未来の成長、雇用、繁栄の決定的な基盤となる」と続けた。
シャヴァーン大臣はBMBFが主催するこの会議で学界、経済界、政界の300名以上の専門家たちを前にこの会議を開催した。その8つの計画は特に将来のイノベーション政策の最も重要なレールを敷くことを目標としている。
・教育システムの強化: 教育システムの効率化。あらゆる若者に教育、訓練の機会をあたえる。優秀な専門人材の割合を増加。
・3協定の将来:研究・イノベーション協定、大学協定、エクセレンスイニシアティヴ。この三つは科学システムに大きなダイナミズムをもたらした。この協定の恒常化が是非とも必要。
・ハイテク戦略の継続発展: ハイテク戦略を一貫して拡大、継続する。重点は保健・食料、エネルギー・気候保護、安全、モビリティー、コミュニケーションにおく。
・東部ドイツにおけるイノベーション促進。連邦議会のイニシアティブにより、今後その地域における先端研究及びイノベーションの強化のため追加資金を投入。
・イノベーション促進型の税制。新しい連立協定にイノベーションの優遇策、税制の改革に関するインパクトについて謳われている。このために総合的な措置が必要。
・人材の流入。人口構造の変化に伴い、世界中の優秀な人材をひきつけるためにドイツは魅力あるものでなければならない。
・科学分野の自由に関するイニシアティブ。自由イニシアティブを更に前進させる。我が国の大学及び研究機関が国際的に競争力を備えていくために必要な裁量余地を与えなければならない。
・ヨーロッパのイノベーション戦略への参画。これには研究を大西洋横断的な関係、更には国際的な開発協力のコンテクストに置く。
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