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大使館発行の日本の科学技術ニュース情報紙(独語)。

 

    IASSに関するプレス発表(6月30日) 

 

独教育研究省は、ポツダムに開設するサステナビリティ上級研究所
(IASS)に関してプレス発表を行いました。概要は以下のとおりです。


世界中の最も創造的なサステナビリティ研究の頭脳達がドイツにやってくる理由がもう一つ増えた。新しいサステナビィティ上級研究所(IASS)において、トップの科学者が気候変動やその他の地球的な変化過程に伴って生じる大きな課題に挑む。シャヴァーン連邦研究大臣とヴァンカ・ブランデンブルク州研究大臣は、設立時の所長であるテプファー教授とともに、気候変動、地球システムおよび持続的な成長可能性について調査・研究する新しい先端研究所を紹介した。

ポツダム気候変動研究所(PIK)とポツダム地球科学研究センター
(GFZ)の他に、この分野において、全く他にないコンセプトを生み出し、使用する、さらに優秀な研究所がポツダムにできることになる。米国プリンストンの著名なエリート研究所に動機づけられ、将来性のある後継研究者からノーベル賞受賞者までの賢い頭脳が、客員科学者としてある一定の期間、研究所の範疇内の自由なテーマについて研究できる場所がドイツに創られる。「テプファー氏が設立時の所長の役目を引き受けてくれたことをとても喜ぶ。彼の科学の経験、優秀な国際的名声そして彼の人格に鑑み、彼以外にサステナビリティのテーマを扱える者は他にはいない。」とシャヴァーン大臣は語った。

ヴァンカ大臣は、IASSが立地するポツダムがすでに地球システム、気候、気候変動に関しては、名高い研究所等が集まる地域であるとして、その優秀さを指摘し、また、これらの環境とネットワークがIASSの重要なパートナーと成り得ると語った。

IASSは、緊急の問題にも取り組んでいく、無類の可能性を持ったトップ研究所であり、科学的思考を掘り下げ、科学者の知見を近辺の政治家や民間と意見交換することが目標。気候変動が人の生活基盤を奪うことを防ぐ。とテプファー所長は語った。

テプファー氏は、科学的プログラムの最初の段階を説明した。また、研究所の組織構築についてテプファー氏は考えている。科学者達は、気候変動の影響、排出の削減及び気候影響への適応について取り組み、エネルギー調達の将来について調査し、そして地球的レベルでの持続的開発を可能にするこ等の課題に取り組む。所長、戦略的顧問会及び研究パートナーは、段階的に新しいテーマを推進する。また、奨学金プログラムを創設し、戦略的な研究パートナーも形成する。

研究所は、7年間、毎年9百万ユーロの支援を受ける。その大部分は教育研究省からのものである。研究所では、50名までのフェローが研究を行う。その滞在期間は、数週間から2年間の間である。高いランクの戦略的顧問会及び国際的なパートナー機関が研究所を支援することになる。

 

 

    トップクラスターコンペティション第2期の最終選考段階に10地区が選出(6月25日) 

 

独教育研究省は、トップクラスターコンペティションの第2期選考について最終段階に10地区が選定されたことについてプレス発表を行いました。


当初23地区の応募から教育研究省の独立した審査会が選定した。これら10地区は、今後各自の計画にさらに磨きをかける。来年初めに最終的に5地区が選定される予定。最大5年間、1地区あたり最大2億ユーロが与えられ、産業界や民間が少なくとも同等の投資を行うことになっている。2008年9月に第1期の選考が行われて、5地区が選定された。

・最終選考に残った10地区は以下のとおり。

バーデン=ヴュッテンブルク州(2カ所)
HiPerFacturing-持続的生産のための知識から価値創造まで(代表組織の所在地:シュツットガルト)
MicroTEC南西(フライブルク)

バイエルン州(2カ所)
・医学技術のエクセレンスセンター(ニュルンベルク)
・m4−薬品開発の新しいディメンジョン(マルティンスリード(ミュンヘン近郊))

ブレーメン州(1カ所)
germanwind(ブレーマーハーフェン、ニーダーザクセン州とシュレスウィッヒ=ホルシュタイン州がパートナー州)

ヘッセン州(1カ所)
・デジタル企業のためのソフトウエアイノベーション(ダルムシュタット、ラインランド=プファルツ州とザールランド州がパートナー州)

ニーダーザクセン州(1カ所)
・CFK(炭素繊維強化プラスチック)in XXL-軽量、安全、効果的(シュターデ、ハンブルク州、シュレスウィッヒ=ホルシュタイン州がパートナー州)

ノルトライン=ヴェストファーレン州(2カ所)
・人工バイオテクノロジー(デュッセルドルフ)
・ロジスティックス関係のクラスター(ドルトムント、ヘッセン州がパートナー州)

ラインランド=プファルツ州(1カ所)
・個人に合わせた免疫治療のクラスター(マインツ、ヘッセン州とニーダーザクセン州がパートナー州)

 

 

    神経退化に関するドイツセンターの開設(6月23日)

 

23日、独教育研究省は、神経退化病に関するドイツセンターの開設に関してプレス発表を行いました。概要は以下のとおりです。

 

「神経退化病のためのドイツセンター(DZNE)の喜ばしい開設をもって、我々は、ドイツにおける保健研究において全く新しい構造を創り出す。患者の健康のために、科学と臨床からの得られる全ての知識を我々は利用する。」とシャヴァーン研究大臣は、ボンにおけるDZNEの開所式で述べた。

 

また、ノルトライン=ヴェストーレン州のリュトガース州首相も式典に参加し、「DZNEは、幅広い分野で神経退化病の撲滅に取り組む。また、そのネットワーク構造をもって、イノベーティブな研究モデルを導入することになる。この二重の挑戦にすでにここまで成功したことを祝いたい。研究者は、DZNEにより、研究を行う場としてのドイツの魅力を高めるだけではない。彼らは、将来の人間の尊厳によりふさわしい社会構築に向けて重要な貢献をすることになる。」と述べた。

 

ボンのDZNE中央センターは、外部機関として全部で7つの研究組織を持つ。それらは、ロックストック/グレイフスヴァルド、ゲッティンゲン、マグデブルグ、ミュンヘン、テュービンゲン、ヴィッテン及びドレスデンにおける大学や病院である。これらの協力の形式は、分業であり、それは、認知症研究においては、ベストの科学者の新しいアイディアが重要であるからであり、研究の箇所が1箇所では、それは不十分だからである。このような構造は、ヨーロッパでは例がない。連邦と州は、DZNEの設立に年間66百万ユーロで支援する。所長は、ピエルイギ・ニコラ教授である。

 

すでに今日、ドイツでは、100万人以上が認知症に苦しみ、患者の数は、年に20万人ずつ増えている。ヘルムホルツ協会会長のムリュネック氏は、「認知症の研究を強化するために、我々は、新しい道を進んでいる。ボンにおける中央センターを核に多くの大学のパートナー研究機関を組織することにより、多様で各地に散らばった専門能力を一つにまとめることができる。また、基礎研究の重要な成果を早期に臨床での応用に生かすことに取り組む。」と語った。

 

DZNEは、最重要な国民病の撲滅のために、研究機関、大学、病院を長期にわたり結合することを推進していく上での手本となる。「我々は、保健研究のドイツセンターでのドイツにおける保健研究を戦略的かつ構造的にさらに開発していく。それらは、将来の糖尿病研究のドイツセンターや計画中の心臓・循環研究のドイツセンターである。2週間前にドイツのガン救助とドイツガン研究センターをもって、ガン研究における州をまたいだ新しい連合にゴーサインを出した」とシャヴァーン大臣は語った。

 

 

BMBFが未来予測を発表(6月22日)

 

我々の将来の生活はどうなるのか、どのような技術が重要になるか、 将来の重要課題をどのように克服するのか。研究政策とはこれらの疑問に対応し、遠い未来への見通しを行うもの。BMBFはこうした課題に応えていくため未来予測を行っている。

 

BMBFはこうした予測を二年前に開始しており、その重要な結果に関し「未来は今日始まる」と題する会議が開催され、200名に及ぶ専門家が参加し、議論した。マイヤー=クラーマー次官は月曜日その開会に当たり「あらゆる不確定要素にも拘わらず、未来との取り組みは欠くべからざるものであり、それは研究及びイノベーション政策の計画の一部である」と語り、「皆様は研究シーズの成長への目をお持ちであり、今こそ我々にできる限り正確に、その全てを披露して頂きたい」と続けた。

 

専門的なプログラム及び各専門分野の予測に基づき予測プロセスは特に様々な専門分野の接点に新しい研究領域が発生する可能性に焦点を当てている。次官は「学際的な研究の様々な方向の傾向、展開を体系的に総合化するとき如何に沢山の新しい発展が認められるか、ただただ驚くばかりであります」と語った。例えば「人間―技術―コオペレーション」というテーマは、人間のメカナイズ(例えば高度移植組織及びプロテーゼによる)と我々の環境のコンピュータ化を結びつけ、科学的、技術的の問題はもとより、多様な社会的、法的な問題をも勘案するような共通の研究展望に繋がることになる。同様に「生産―消費 2.0」と題したテーマは持続的な製品及び生産プロセスへの要求とユーザーに優しい生産及びそれと結びついた新しい生産方式及びサービスへの願望とを結びつけるものである。

 

 

    「再生可能エネルギー地域:自給自足のソーシャルエコロジー」について(6月17日)

 

グローバルな気候保護目標を達成するためには地域レベルの関係者が一貫して行動しなければならない。例えば自治体自身が再生可能エネルギーによって自給をはかることによって成果をあげることが可能である。この目標のためBMBFは「再生可能エネルギー地域:自給自足のソーシャルエコロジー」を立ち上げている。

 

BMBFは今後4年間に若手科学者養成のための12のソーシャルエコロジー研究プロジェクトを支援するが、その内の一つがこれ。この若手科学者グループの助成にBMBFは同期間に総額2200万ユーロを用意する。その範囲は広く、生物多様性、バイオ燃料供給、エネルギー政策、自然保護、企業行動における倫理等々となっている。

 

マイヤー=クラーマー次官は「再生可能エネルギー地域:自給自足のソーシャルエコロジー」というプロジェクトは、我々が大きな省エネ能力を実際に利用することに寄与するものであるとし、決定的なのは出来るだけ多くの自治体が再生可能エネルギーへの転換を図ることである、としている。同プロジェクトは自治体が将来いかにして再生可能エネルギーによる供給を図るのかというコンセプトを創り出すものであり、その全体の電気、熱の需要を自給自足できることが目標である、としている。

 

参加機関はフライブルク大学、ホーエンヘイム大学及びベルリンのエコロジー経済研究所。研究者は4年にわたり自治体、郡等と協力する。得られた知見は他の自治体にも利用できるようにする。これにより地方の持続的発展を支援し、同時に傑出した若手科学者がソーシャルエコロジー研究の分野における地歩を固めるための支援を行う。

 

 

    ドイツにおけるナノ技術の概要が発行(6月11日)

 

「ナノ技術は経済危機の中にあっても伸びる分野。ナノ技術系企業の大多数は2010年まで売上、従業員数の増加、更には追加投資を予想している」とする報告書「Nano.DE-Reports」をBMBFはこのほど発行した。この報告書はドイツにおけるナノ技術セクターの初の、総合的な報告となるもの。

 

同報告は企業の重点、製品・活動展望、各種重要分野における実用化及び資金戦略等を分析している。またナノ技術の経済的発展に関する指標を示している。その分野の雇用、売上、起業等に関する数字がそれ。それによるとドイツではナノ技術と取り組む企業は約750社、研究機関は約220となっている。

 

同報告は製品開発においてどのように基礎研究が応用されているか、どの分野でナノ技術が役割を担うのかなどを記述。特に重要な領域としてエレクトロニクス、化学、光学産業とされている。またナノ技術の市場ポテンシャルに関して、どのような条件下でナノ技術研究の経済的応用が展開するのかを推定、分析している。

 

 

    シャヴァーン大臣、3つの大学研究イニシアティブの継続に同意(6月4日)

 

64日連邦首相及び州首相は、1)合同科学会議(GWK)の大学協定第二フェーズ2020の設定、2)大学における先端研究助成に関するエクセレンス・イニシアティブの続行、3)大学外研究機関との研究・イノベーションに関する協定の続行に関する提案に賛同した。

 

GWKは、今年422日の臨時会議で2019年までの総額180億ユーロに及ぶこの三つのプログラムを決定していた。

 

シャヴァーン大臣の発言要旨は以下のとおり。

・連邦政府及び州は今日ドイツにおける教育及び研究に明確な発信を行った。この三つの要素からなる総合的措置によって我々はドイツ科学及び研究の国際競争力を強化する。この危機の中で正しいプライオリティーを設定し、将来の繁栄の源泉のための路線を固めた。

・我が国の科学制度は世界的に指導的なものの一つ。この危機の時にあってこそ、我々が目標とするのは現在の位置づけを拡大し、ドイツの科学拠点を持続的に強化し、国際競争力を更に向上させることである。強力な科学及び研究によってのみ我々は力強く危機から脱出することができる。

・ほぼ180億ユーロを2019年まで投入し、275,000の学生を更に収容し、大学における先端研究のエクセレンス・イニシアティブを通じて確実な展望を創り、大学外研究機関が将来とも躍動的に一層の発展を遂げるための必要な余地を持てるよう尽力する。

・三つの大きなイニシアティブは我が国大学及び研究機関に改革の機運をもたらし、既に当初の大きな成果が認められる。例えばエクセレンス・イニシアティブによって4200名の研究員が得られ、その内1/4が外国から来ている。こうした動きを我々は恒常化させなければならない。

・ドクトラント(博士論文提出有資格者)数が研究・イノベーション協定に伴い年率で約10%上昇。これは今後10年間飛躍のための専門的人材である。研究機関は安心して、若年科学者を保持し、同時に研究活動を継続し、更には拡大できる。具体的には3万名に及ぶ研究員及び技術職が得られることになる。

・我々の科学システムの構造変化及び改革には時間、継続性、信頼が必要であり、資金面でも同様である。連邦及び州による国全体の責任におけるこの信頼性が今日証明されたことになる。今日はドイツにおける教育の機会そして研究の将来展望にとって素晴らしい日となった。