○ ノルトライン・ヴェストファーレン州において、初めて女性大学教授が1000人以上に: 女性教授の割合が増加を続ける(3月30日)
昨年度ノルトライン・ヴェストファーレン州(NRW)の大学で働く女性教授が初めて1000人を超した。イノベーション省の最近の統計によって明らかになったもので、これを基にして女性同列化のための助成金が配分される。また今年度NRWの大学は女性の助成に関して750万ユーロを得ており、これは2005年度よりも70%の増加ということになる。
イノベーション省は過去5年間に助成額を継続的に増加させただけでなく、助成の基準も変えた。以前は女性の助成に関する個々のプロジェクトを対象にしていたが、現在では女性の同列化活動の成果に応じて資金を配分している。ピンクヴァルト大臣によれば、こうした措置によりNRWの大学の学長は5人に一人が女性となっている。5年前女性学長はわずか二人であった。
また教授職に就いてみても傾向は良好。専門大学ではほぼ3人に一人が女性教授、総合大学では4人に一人となっている。先頭に立っているのはパーダーボルン大学で女性教授の割合が22,3%、続いてヴッペルタール大学が20,3%、ズィーゲン大学が20,2%となっている。専門大学では一位がビーレフェルト専門大学で、女性教授の割合は23,7%であった。総合大学及び専門大学を合計してみると、女性教授の割合は2008年から2009年にかけて14,4%から16,3%へと上昇している。
○ 独教育研究省の2010年度予算が決定(3月18日)
独教育研究省は、18日、2010年度の予算がまとまったことについてプレス発表を行った。特に重点として述べている項目以下のとおり。なお、現政権は、現政権期間中に教育研究に総額120億ユーロを追加的に措置することを連立協定に明記している。
総額:108億7千万ユーロ(前年比6億6千万ユーロ増、6.5%増)
・「職業教育の強化と近代化」に1億9千3百万ユーロ(前年比8千1百万ユーロ増、71%増)
・「経歴における教育の強化」に2億1百万ユーロ(前年比6千1百万ユーロ増、44%増)
・大学協定に関する予算に5億9百万ユーロ(前年比1億2千5百万ユーロ増、33%増)
健康、移動(モビリティ)、コミュニケーション、気候/エネルギー及び安全をハイテク戦略の重点分野とする。気候、環境及び持続可能性(サステナビリティ)に関する研究を「持続的開発研究」として一括りにする。
・「持続的開発研究」に1億3千7百万ユーロ(前年比10%以上の増)
・「環境技術と持続可能性」に1億4千4百万ユーロ(前年比ほぼ12%増)
・新技術へのプロジェクト支援資金に7億9百万ユーロ(前年比約14%増)
・ライフサイエンスに約5億ユーロ(前年比約12%増)
これらにより、エレクトロモビリティにおける制御技術の研究や、保険制度の負担軽減及び個別医療に向けた医療制度研究が強化される。
・国際的に著名な研究者に与える「アレキサンダー・フォン・フンボルト・プロフェシュア」に3千9百万ユーロ増額。
・国際化戦略について、中進国、発展途上国、EU内での協力を中心に1千3百万ユーロ増。
○ 韓国との共同研究の強化(3月17日)
欧州と韓国は将来研究分野における協力を密にする。欧州の研究イニシアティヴEUREKAは昨年韓国にアジア初の加盟国というステータスを与えた。シュッテBMBF次官は17日韓国を訪問し、アジアにおける重要なパートナーとして韓国の持つ重要性を指摘し、「韓国のEUREKA加盟は目線の高さを同じくする企業及び研究機関の国際協力における新しい展望を拓いてくれるものである。私は、このパートナーシップが新しい製品及びプロセスをもたらし、イノベーションのためのインパクトそして原動力となることを確信する」と語った。また「EUREKAデーを利用し、韓国政府及び経済界の代表に欧州におけるイノベーション政策に関するイニシアティヴを紹介し、更には双方がこれまでの知見及び協力に関する相互の期待に関して意見交換する機会を持つことができる」と強調した。
研究・技術イニシアティヴEUREKAは柔軟な多国間協力と研究プロジェクトのボトム・アップ方式を特徴とするもの。韓国の加盟により、EUREKAは企業、特に中小企業に欧州の境界を超えた国際協力の枠組みをもたらすこととなり、それによってその国際競争力の強化を可能にすることとなる。次官によれば、新しいパートナーシップの更なる行動分野としては知的所有権の取り扱いに関する共同の、明確な、簡単な規則及び基本条件が挙げられる。
EUREKAはフランスとドイツのイニシアティヴにより1985年に設立され、今日欧州37カ国、イスラエル、欧州委員会がこの欧州の研究ネットワークに参加している。
○ システムバイオロジーの推進について(3月10日)
システムバイオロジーはバイオテクノロジーにとっても、また健康に関する研究にとっても決定的な基盤となるものである。分子生物学的な要素を数学的なコンピュータモデルと結び付けることによって研究の範囲は農業から「オーダーメード」的な、副作用の少ない医薬品までカバーすることになる。BMBFは2007年にスタートさせたFORSY(システムバイオロジー研究ユニット)・イニシアティヴによってドイツおいてシステムバイオロジーに関連する専門分野を上部構造の下に統合するため4つのセンターを設立した。
学界及び経済界による国際的な構成による、独立の専門委員会がこのほど、4センターともその活動は最高の科学的水準、とする中間報告を提示した。BMBFは4センターを2011年まで約4500万ユーロで助成する。助成終了後これら研究ユニットは夫々の母体機関から継続維持される。バーデン・ヴュルッテンベルク、ブランデンブルク、ザクセン・アンハルトの所管該州の代表者はその支援を確約している。
FORSYセンターは異なった重点テーマ及びコンセプトを有しており、ドイツおける生物学的、医学的研究の国際競争力を確実なものとしていく。
・「GoForsys」、ポツダム: 藻類及び高等植物における光合成
・「VIROQUANG」、ハイデルベルク:ヴィールスと宿主細胞の関係
・「MaCS」、マグデブルク:コントロール及びレギュレーションの細胞プロセスをより良く理解するための数学的プロセスの開発
・「FRISYS」、フライブルク:細胞のシグナルプロセス全貌に関するモデル解明
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