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ベルリン安全対策連絡協議会第8回協議会の開催について(2009年9月)
1.大規模事件・事故等に際しての在留邦人の皆さんの安全対策を検討する一助として、2009年9月1日、「ベルリン安全対策連絡協議会(Japanisches
Komitee für Sicherheitsvorkehrungen und Informationen in
Berlin)第8回協議会」を当館において開催しました。
2.第8回協議会では、ベルリン市保健・環境・消費者保護局感染予防対策担当者を講師として、ベルリン市内における新型インフルエンザの発生状況やベルリン市における新型インフルエンザ対策などについて、講演及び質疑応答の形式で行われました。これらの内容については、以下のとおりです。
3.協議内容
(1)ベルリン市担当者による講演
(イ) ドイツ国内及びベルリン市における新型インフルエンザの発生状況及び現状に対する評価:
8月のデータを参考にすると、欧州でも感染の拡大が確認されている。中でも、イギリスでの感染が最も多く、フランス、ドイツでも感染が集中している。ドイツ国内では、感染数が1万6千件を超えており、特に、ニーダーザクセン州及びノルトライン・ヴェストファーレン州に集中している。これは、バカンス先のスペインから新型インフルエンザのウィルスを持ち帰ったことが原因と分析している。
8月31日現在のベルリン州の状況は、407件の感染を確認している。感染者の平均年齢は22歳、女性よりも男性の方が多いという特徴がある。また、重症化した事例はなく、死亡事例もない。
この407件という数字は、検査を通じて感染を確認した者の数字であり、軽症者の中には感染に気付かないまま受診しない者もいることから、氷山の一角と分析している。
(ロ) 秋以降の流行可能性の予測:
ドイツでは、3種類の戦略を講じている。即ち、
(a)今年4月から7月までを「第1フェーズ」と位置付け、感染拡大の時期を遅らせるために、感染の疑いのある者を隔離するという措置を取った。この時期では、学校閉鎖も取るべき措置のテーマとして挙げられたが、この時期はベルリンでの感染者数が少なかったために、ベルリンでは学校閉鎖はありえないと発表していたが、その数日後にギムナジウムで集団感染が発生したことにより、一時的に同校を閉鎖して感染の拡大を防いだ。我々は、この措置は正しかったと評価している。
(b)現在の段階を「第2フェーズ」と位置付けており、大人数が集まる場所での感染防止を重視し、新型インフルエンザに罹りやすい人達に対する感染を防いでいる状況。このような弱者には、慢性的疾患者、妊婦及び乳児が挙げられるが、これらの弱者が感染したという報告件数はあまりない。現在は、重症化する人達を予防する一方で、ワクチンの製造に注力している。
(c)今秋以降を「第3フェーズ」と位置付けているが、この時期のベルリンがどのようになるのか分からない。ある程度の予測をしているが、その対応としては、予防接種、医療供給の確保などが挙げられる。
また、今年や来年ではどのような状況になるかであるが、現在の特徴として確認されていることは、若くて健康な人は軽症であり、慢性疾患者や妊婦には重症化する者が多いと言うことである。現在、解明されていないことは、新型インフルエンザのウィルスが、今後どのように変化していくかである。
現在予測しているベルリンでの今後の感染者数などについては、次のとおり。
臨床発病者数 102万9000人(ピーク時:1週間当り22万3000人)
重症化者数 15万4000人(ピーク時:1週間当り3万3400人)
入院者数 2万1000人(ピーク時:1週間当り4500人)
集中治療者数 5100人(ピーク時:1週間当り1100人)
致死者数 1000人~3500人
(ハ) ベルリン市における新型インフルエンザ対策:
一般的な対策としては、手を洗うことである。ドイツでは、8月31日から学校の新学年が始まったが、ベルリン州の学校担当大臣より各学校に対し、手洗いの徹底を通知し、石鹸を備え付けることを徹底させている。
労働意欲の高い人も多いが、新型インフルエンザの症状が現れたら、職場での影響を考慮し、出勤せずに自宅で療養することである。
(二) 予防ワクチンの製造及び配布の見通し:
担当大臣は、9月中旬までには予防接種の実施に関する構想ができるとしており、今日は説明することができない。しかし、現在、予防接種の優先順位が決まっているのでご紹介する。第1次的優先者は医療関係従事者、消防隊員及び警察官、第2次優先者は重症化の可能性が高い慢性疾患者や妊婦、最後が予防接種の一般希望者となっている。そして、現在は新型インフルエンザ用のワクチンは製造中であり、10月中旬からは予防接種が順次始まる。
(ホ) 日常のインフルエンザ感染予防対策:
手洗い以外の対策としては、クシャミや咳をする時のマナーである。手の平ではなく、腕で鼻・口を覆うということで感染が防げる(手の平でクシャミをした場合、その手が様々な箇所に触れることにより、ウィルスが拡散するおそれがある。)。
また、新型インフルエンザのウィルスの治療に要する期間は約1週間であるので、1週間程度、人との接触を避ける。特に、重症化する危険性のある人との接触を避ける。これは家庭内では難しい対応となるが、できる限り、家庭内でも家人との接触を避けること。
(へ) インフルエンザに感染したと思われる場合の対処方法:
職場や学校から離れて、ホームドクターの診察を受けること。保健局への通報は医師が行うので、感染者自身が通報する必要はない。
(ト) ドイツの健康保険に未加入の日本人に対するワクチン接種の可能性:
ドイツ在住の邦人で、当地の医療保険に加入し、ホームドクターがいる場合には、ホームドクターで予防接種が受けられる。
一方、当地の医療保険に未加入の邦人に対しては、どのようにしたら予防接種が受けられるようになるのかを現在構想中。当然、このような邦人でも予防接種が受けられるよう努力していく。
(2)質疑応答
(イ) ベルリン日本商工会
問: 健康な人は7日間で完治すると言われているが、糖尿病や肝臓病等の慢性疾患者や妊婦に対するアドバイス。
答: まず言えることは、感染者との接触を避けること。学校や職場では難しいが、できる限り避けることである。一方、これらの重症化する可能性の高い人達は、予防接種の優先順位に入っているので、予防接種を受けられれば免疫が得られるだろう。
(ロ) ベルリン日本人国際学校
問: 集団発生と認定する基準値はあるのか。また、集団感染を認定する過程はどうするのか。校内で2人以上が感染すれば、全校生徒が検査を受けなければならないのか。
答: ドイツでは、感染防止法において、学校長は校内で複数の感染者を把握した場合には、保健局へ報告しなければならないと規定している。ここに言う「複数」とは、同じクラス等関連性のある2人以上の感染者が確認された場合をいう。
また、先に述べたフンボルトギムナジウムにおける集団感染の場合には、その時期は「第1フェーズ」だったため、感染拡大の時期を遅らせるために、ほぼ全校生徒の検査を実施した。しかし、現在は重症化する可能性のある人々への感染防止などへ注力するため、このようなことは実施していない。
しかし、貴校が小規模校であるならば、自宅待機するなどの対応は必要になると思われるので、そのような場合は、区の保健局へ相談すること。
(ハ) ベルリン日本語補習校
問: 当校は、現地校の校舎を借用しており、現地校の授業が終了した夕方から補習校の授業を行っている。このような場合、現地校が閉鎖となると、当校はどのように対応したらよいのか。
答: 感染した生徒が自宅待機しているのであれば、他の生徒は登校しても問題はない。仮に、現地校が閉鎖となっても、貴校の夕方からの授業には影響が無いと思われる。
(二) ベルリン中央学園補習校
問: ドイツでは、風邪を引いていても当校させる親が多いので、新型インフルエンザに罹っていることに気が付かない生徒が当校している場合の対応及び病院への事前連絡の有無。
また、ウィルスの突然変異について、新型インフルエンザに罹った者の免疫は、突然変異のウィルスにも対応するのか。新型インフルエンザのワクチンを接種すれば、突然変異したウィルスにも効力はあるのか。
さらに、在留邦人は、大使館に対して何を期待してよいのか。
答: 新学年が始まるに当たり、校内にインフルエンザ対策用の部屋を1室設け、発熱や関節痛等の症状を訴えた生徒を同室に隔離してから親に連絡し、直ちに医者へ連れて行くよう、当局から各学校に対して資料及び案内を配布したが、新型インフルエンザに感染した生徒が登校しないという保障はない。一方、医療機関へは事前連絡することで、医療機関側も院内感染を防止する対策を講じることができるようになるなど、事前連絡した方が良い。
また、新型インフルエンザ用ワクチンは、突然変異したウィルスにも適用すると言われているが、新型インフルエンザに罹った人の免疫はあくまでも新型インフルエンザの免疫なので、突然変異のウィルスに対しての免疫はないものと考えている。
大使館: 当館としては、有効な情報を当館ホームページに掲載するなどして、情報発信を行っていく。
(ホ) 当館
問: マスクの予防効果と新型インフルエンザ用ワクチンの副作用に対する救済措置。また、感染者の食事に関するアドバイス。
答: WHOでもマスクの効果について、分かり易い回答をしていない。当局は、使用済みのマスクには触らない、使用済みのマスクは捨てるなどのマスクの取扱いが適切であれば、マスクの予防効果はあるとみている。
副作用があった場合の救済措置について、ドイツでは法律で規定されている。今回市場に出回るワクチンは新型ワクチンのため、どのような副作用があるのか詳しく収集する必要がある。そして、副作用が認められた場合には予防接種を行った医者に行くこと。当該医師から行政担当当局へ通報され、副作用が重い症状の場合には市場から同ワクチンは外されることになる。もし、継続的な健康被害の症状となってしまった場合には、州が法律に基づき、経済的な保障を行うことになる。
また、季節性インフルエンザ同様、予防にはサウナに行くなど健康的な行動をとることと、ビタミンCが多く含まれている健康な食事を摂ることが有効である。感染者に対しては、感染者が食べたいという食べ物は身体が欲している物なので、それを食べさせること。
