ドイツ政府が科学と研究の分野の国際化戦略「世界的な知識社会におけるドイツの役割の強化―科学研究の国際化のための連邦政府の戦略―」を発表(2月20日)
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なお、概要は以下のとおり
○この国際化戦略は、科学と研究の分野において、国際比較により、世界的に最も優れた知識、システム及びプロセスを見出し、ドイツにおける科学と研究の利用を促進するもの。これは、ただのガイドというだけでなく、ドイツの科学とイノベーションシステムにおける協力を推し進めるための基本政策。国際的環境下におけるドイツの科学、研究に関する関係者の活動を支援する。
○この戦略の主な目標は以下のとおり。
1.世界的にベストな相手との共同研究の強化
ドイツの研究者は、イノベーティブな科学者や世界的に最も優れた研究グループと協力すべき。同時にドイツは、世界中の最も優れた研究者、学者が集まる場所にならなければならない。
2.イノベーションのポテンシャルを国際的に開発する。
ドイツの企業は、先進的ハイテクを保持し、世界の創造的な研究開発のセンターであるべき。それにより、ドイツのイノベーションを強化し、研究開発に特化する企業を強化する。
3.教育、研究および開発における開発途上国との協力の持続的な強化
アフリカ、ラテンアメリカおよびアジアにおいて近代的な高等教育、研究とイノベーションシステムが発展してきている。今後、これらの国々との協力が不可欠。これにより、これらの国々の経済的、社会的、文化的開発に貢献し、世界的な貧困の克服や他の世界的な問題の解決にも資する。
4.国際的な責任の負担と世界的な挑戦の克服
ドイツは、その研究とイノベーションのポテンシャルにより、環境、資源、健康、安全と移住に関する問題解決に貢献する。ドイツは、自国の科学政策だけでなく、海外においても問題解決に貢献する。
○国際的、特にヨーロッパにおけるドイツの科学者の流動性を守るために、科学者の後継者の教育がより国際的になされるべき。国際的な研究プロジェクトと国際的なドイツの研究組織においてドイツの科学者が、他国の研究組織、大型施設および共同プロジェクトに携わることができるようにすることが重要である。
○全国、地方あるいは国際的に行われる支援プログラムは、よりよく戦略的に調整されるべき。ドイツにおける国際的な研究開発投資と公共研究組織、大学と企業の知識の移転は推進されるべきである。ドイツの海外への投資は、ドイツに利益をもたらすものである。
○開発協力の方法と科学技術協力の方法は、パートナー国と戦略的に調整されるべきである。大学と研究組織の強化は、世界的な問題の解決に貢献し、開発途上国からのエリートの流出を防ぎ、開発途上国のキャッチアップを助け、ドイツの科学との協力を可能にする。
○連邦政府は、気候変動、資源問題の解決、安全に対する脅威、世界的な感染症の克服へ立ち向かう「国際的な研究課題」の解決に国際的な舞台で力を尽くす。国際化を支援するために人文と社会科学においても国際的な協力をさらに強化していく。
○この国際化戦略は、海外でのドイツの科学の存在感、海外における科学とイノベーション戦略活動におけるドイツの経済と科学の情報、および学生、研究者およびドイツのイノベーションのための集中的な広報を促進するものである。
○ヨーロッパの戦略と他の国に対する戦略はこの国際化戦略から生まれるものである。連邦教育研究省はこの国際化戦略を3年から5年の間には、独立した専門委員会により、評価させ、見直すこととする。
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