○ ヨーロッパ自由電子レーザー(XFEL)の建設及び運営に関する参加国間の協定について署名(11月30日:独教育研究省発表)
「ヨーロッパの研究協力において歴史的な日」
30日にハンブルク市庁舎において東西のヨーロッパの10カ国の科学大臣や次官が、ヨーロッパ自由電子レーザーに関する協定にサインした。ドイツを代表して独教育研究省のマイヤークラマー次官と独外務省のアモン次官がサインを行い、ハンブルク市のフォンベウスト第一市長、ハンブルク市のグンドラッハ科学大臣、及びシュレスヴィッヒ=ホルシュタイン州のカルステンセン首相が、マイヤークラマー次官とともに自由電子レーザーに関する国内協力取り決めにサインした。
自由電子レーザーは、2014年からの稼働を予定しており、これまで達成できなかった輝度、強度及び解像度を実現し、ナノの世界において新しい知見をもたらす。化学や生物学に関する反応を捉え、例えば、薬品の開発に資することができる。建設と運転開始に関しては、全体の半分以上である約10億ユーロをドイツ連邦政府が負担し、ハンブルク市が6千5百万ユーロ、シュレスヴィッヒ=ホルシュタイン州が2千5百万ユーロを負担する。また、2億5千万ユーロをロシアが拠出する。
建設は、今年の1月から始まっている。本日署名したのは、デンマーク、ドイツ、ギリシア、イタリア、ポーランド、ロシア、スウェーデン、スイス、スロバキア共和国及びハンガリーの10カ国で、これら以外に、中国、フランス、イギリス及びスペインが参加を計画している。
○ DFGが更なる17の特別研究領域を設定(11月18日)
DFGは2010年1月1日から更に17の特別研究領域(SFB)を設定した。ボンにおいてDFGの担当承認委員会がこれを決議した。新しいSFBは当面4年間に総額1億3200万ユーロで助成させる。
研究対象としては、まず細胞内及び細胞間の分子レベルでのコミュニケーションプロセス、電子的相互関係を有するマテリアル・システムの新しい視点、世界の海の炭素バランスにとってのロゼオバクターのバクテリア群の意味等。その他抗生物質を混入しない豚の飼料、肝がんの分子的発生から転移等。17の新しい研究共同体の内6つはSFB/Transregioということで、数か所の研究拠点に分散配置される。
新特別研究領域の例:
・ホモジニアス及びインホモジニアスなシステムの電子的特性の調査(実験的及び理論的なメソドの組み合わせにより、アウグスブルク大及びミュンヘン大の研究者が電子的な相互関係の基礎的、応用的な研究フォーラムをつくる)。新しい電子特性のシステムを解明し、開発し、製造し、キャラクタライズするのが目標。
・液体多相システムの化学反応をベースとした原材料から製品の効率的生産プロセスの開発。ベルリン工科大学、マグデブルク大、ドルトムント大の研究者がボトムアップ型の方式で協力。
・栄養素の腸機能及び動物の健康への影響調査に関する融合的な基盤。目標は豚の保健政策的、経済的に重要な疾病の処置改善及び予防。抗生物質を用いない効率的な家畜飼育を目指す。研究成果は長期的に人間に応用できる可能性。ベルリン大学、同附属病院、ベルリン工科大学、連邦リスク評価研究所、ドイツ食糧研究所等が参加。等
|