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フラウンホーファー協会における未来指向型エネルギー・マネジメント・コンセプトについて(8月24日)
フラウンンホーファー実験ソフトウエア・エンジニアリング研究所(IESE)は今後数年間にカイザースラウテルン拠点の未来指向型エネルギー・マネジメント・コンセプトに1億ユーロ以上を投資する。分散型エネルギー生産設備及び再生可能エネルギー利用のための高性能かつ確実性を有するソフトフェア・システムがその重点となる。
工業化によって多くを得たが、しかしそれは環境及び地球の資源を代償として求めることとなった。このため最近では代替エネルギー、資源保護に関するコンセプトの研究が進められてきた。そこでフラウンホーファーのカイザースラウテルン・センターに研究・デモンストレーション設備を建設しようということになった。内容はソラー設備、コジェネ、電気自動車。コンピュータ制御によってビルディング・オートメーション及び「Assisted Living Systems」を可能にする。同計画は主として連邦政府の景気対策からの資金及びラインランド・プファルツ州環境省からの補助金によって負担される。
IESEのボマリウス教授は「我々は研究施設内でコジェネと最新のフォトヴォルタイクとを結びつけます。計算センターからの廃熱は「エネルギー源として」システムの中に取り込まれます」と語った。設備の心臓部は、インテリジェント・ソフトウエア・コントロールによるコンピュータ・エネルギー・マネジメント・システムである。
再生可能エネルギー源による分散型エネルギー生産は、枯渇に向かう資源とそれと同時に進行する消費増とのジレンマから脱けだす方法である。しかしながらこれはコントロール技術的に非常な問題を投げかけるものでもある。例えばエネルギーの消費サイドと、特に太陽、風力発電に見られるような流動的な供給サイドを調整するためには、全ての生産者と消費者をインターネット技術によってネットワーク化しなければならない。情報交換によってしか経済的、環境的に最適な状態でこの2者が協力することはできない。この「エネルギー・インターネット」こそ、我々の現代社会の生命線である。IESEはこのためのソフトウエア開発に貢献していく。
フラウンホーファー・センターの設備構造は小さな工場といったもので、「テスト消費者」は研究所自身となる。「これによって我々は小企業に対して、その将来のエネルギー・マネジメントというものがどういう風になるのか、あるいは将来この領域においてどの様な製品及びサービスが求められるのかを示すことができる」と同教授は語った。
同プロジェクトの当初研究課題としては、エネルギー・マネジメント・システム及び機器、設備のインターフェースの適切なソフトウエア・プラットフォーム、更にはエネルギー・マネジメントのオートメ化及びユーザー・インターアクションの基盤技術等が挙げられる。
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