1.概要
1949年、非営利機関として設立(社団法人)。所属の56研究所を中心に、応用を指向した基礎研究から、応用研究、開発及び技術の実証と試験プラントまでの研究を政府の支援と産業界との契約等により実施。研究分野は、材料・素子、製造技術、情報・通信、マイクロエレクトロニクス・マイクロシステム、センサー・検査技術、プロセス工学、エネルギー・建設・環境・健康、技術・経済性研究と多岐に及ぶ。
約1万の研究プロジェクトのうち7割が企業等民間との共同研究であり、その売り上げは2001年度で9.8億ユーロに上っている。有効特許保有件数も2002年4月時点で1372件と多く、多額のライセンス収入を得ている。
2.職員数
約11,000人
3.予算
9.1億ユーロ(2001年) (約1,040億円)
○ 政府(連邦及び州)の経常予算(basic funding)、プロジェクト予算(政府、欧州連合等)及び産業界からの受託研究費が各々ほぼ3分の1を占める(2000年度実績:受託研究費38%、機関計上予算35%、プロジェクト予算27%)。
○ 政府からの経常予算については総額が決められるのみであり、その使途については一切の規制が無い。研究所の新設・改廃、研究課題等は協会の手続きに則り自由に決めることが可能。なお、連邦と州の出資比率は9:1。
○ 所属の研究所に対する予算は、各研究所に共通の定額予算、研究所の規模等を考慮した追加的な予算及び研究計画に応じた予算から構成
4.組織
会長(Prof. Dr. Hans-Joerg Bullinger(人間工学・労働経済学専門、2002年就任))及び3人の副会長からなる執行委員会が事務局の支援を受け運営を取り仕切る。この他、政府代表、科学界、産業界代表等約30人で構成される評議会で、研究開発政策、予算、研究所の新設・改廃等重要事項が決定される。
5.運営の特徴
各研究所は定められた業務の範囲内でプロジェクト資金の獲得と運営に責任を有する。また、経常予算については全て所長の裁量で使途が決められる等、研究所長の裁量が大きい。(なお、プロジェクト資金については、執行委員会が予算執行を管理(執行委員会は所長に対して説明を求め、責任を問う)する。)。
研究所の内部組織については予め決めないこととなっており、研究所長の裁量による柔軟な組織運営が可能となっている。