1.沿革
教育などの義務から解放され、研究のみに専任出来る研究所を作ろうという考え方のもと1911年に設立されたカイザー・ヴィルヘルム協会を前身とし、1948年に設立。ノーベル賞受賞者を多数輩出し、世界的に見て重要なセンター・オブ・エクセレンスが形成されている。社団法人。
2.概要
(1)業務
傘下の80研究所を中心に、自然科学、社会科学、人文科学の分野の基礎研究を実施。また、大型機器の供与を含む大学との協力を実施。
(2)組織
会長(Prof. Dr. Peter Gruss(生物学専門、2002年より6年の任期で就任))及び4人の副会長、監事からなる管理委員会、評議会、事務局が運営の中心。
(3)予算
11.7億ユーロ(2000年) (約1,330億円)
原則として連邦政府50%、州政府50%の割合で負担。ただし、プラズマ物理研究所だけは、連邦政府90%、州政府10%の割合。
(4)職員数(2001年1月1日現在)
11,218人 うち 科学者3,116人
これに加え、7,648名の学生補助者、ポスト・ドクター等を受け入れた。
3.研究システムの特徴
○ 研究テーマに制限がない機関助成が財源のほとんどを占めるため、研究所における研究の自由度が非常に高くなっている。連邦政府及び州からの助成は、総額だけが政府により決定されており、その配分はマックスプランク協会に委ねられている。各研究機関間の予算配分は、基本的に協会本部と各研究機関の総括責任者(Director)との折衝により決定。
○ 内部及び外部の評価システムにより、質の高さ及び将来性という基準に適合しなくなった活動分野を廃止することにより、高い水準を維持。
○ 研究所の自律性重視という哲学に基づき、協会内部でもボトムアップのプロセスが重視されるため、結果として各研究所長には人事、組織管理、研究費の獲得・配分に関し大きな裁量が与えられている。