海外安全対策情報(2021年7月から9月)

2021/10/11
1 凶悪犯罪・一般犯罪の傾向
 過去5年間のドイツ国内・管轄6州内における犯罪認知件数は、次のとおりです。
 
国・州  /  年 2016年 2017年 2018年 2019年 2020年
ドイツ国内  6,372,526 5,761,984 5,555,520 5,436,401 5,310,621
ベルリン州 568,860 520,437 511,677 513,426 504,142
ブランデンブルク州 185,831 175,003 172,828 171,828 162,941
メクレンブルク・フォアポンメルン州 123,061 110,337 108,665 111,329 105,932
ザクセン州 324,736 323,136 278,796 271,796 272,588
ザクセン・アンハルト州 196,464 186,550 175,625 173,346 177,905
テューリンゲン州 149,226 143,237 143,158 129,301 141,933
          単位:件

  
 犯罪認知件数全体としては、概ね横ばい又は減少傾向にあるものの、身近な犯罪であるスリ、置き引き、ひったくりなどは引き続き高い水準で発生しており、人口10万人あたりの犯罪発生率は、日本の10倍以上となっています。
 日本国内にいるのと同じ感覚で生活をしていると犯罪に巻き込まれる危険性がありますので、下記情報に加え、犯罪被害に遭わないための注意点をまとめた「安全の手引き」を一読し、普段から警戒力を高めて生活してください。
 
(1)凶悪犯罪
 ◯ 9月4日、ベルリン州において、男女2人が刃物で襲撃され負傷する事件が発生し、犯人はその場で逮捕されました。犯人の男は精神的な問題を抱えている可能性があり、女性が庭師として働いていることに腹を立てて犯行に及んだと言われています。こうした事件を認知した場合には、不要不急の外出を避けるとともに、報道等から最新情報を入手して行動する必要があります。
 ◯ 昨年夏以降、ベルリン市街地において、現金輸送車や銀行を狙った銃器等を用いた強盗事件が連続発生しており、7月にはフリードリッヒスハイン地区で発生しました。これらの事件の大半は、平日の通学・通勤時間帯と重なる午前中の時間帯、かつ邦人の皆様が多く居住するエリアにおいて発生しています。常に周囲の状況に注意を払い、異状を察知したらすぐにその場から離れることを徹底し、事件に遭遇した場合は現場に近づかず安全な場所に避難するとともに、速やかに落ち着いて行動するよう心掛けてください。
 ◯ 管内6州においては、邦人被害に係る殺人・強盗、誘拐事件等は認知しておりません。しかしながら、ドイツ国内では、邦人が被害者となる強盗、傷害、恐喝などの粗暴犯罪のほか、性犯罪も発生しています。
(2)一般犯罪
 ◯ ベルリン市内の観光名所や地下鉄等公共交通機関では、依然としてスリや置き引きなどの盗難事件が多発しています。電車内やホテルのロビー等で自分の傍らに置いていたバッグ等が盗まれる事件が発生していますので、手荷物は体から離さない、常に目の届くところで管理するなど、犯罪被害に遭わないよう十分ご注意ください。
 ◯ また、市内の観光名所で外国人集団から声をかけられ、募金や署名等を 依頼され、親身に応対している間に手荷物から現金等が盗まれる事件も発生しています。外国人集団の中には、路上や屋内において初めは親しく声をかけハグ等をし、そのうち多数で取り囲んで、スキを見て現金を盗む犯行手口もあります。見知らぬ人から話しかけられても冷静かつ毅然とした態度で対処し、常に手荷物をチェックするように心がけてください。
  同様に、市街地において、外国人グループから親しげに握手を求められ、これに応じたところ、左腕に抱きつかれ、そのまま腕時計を盗まれる事件も発生しています。
 ◯ ベルリンやその近郊では夜間の暴力事件が発生しており、深夜の公園において麻薬の取引が行われているケースもありますので、夜間の外出には特に注意を払い、深夜帯の移動はなるべくタクシーを利用するなど安全の確保に細心の注意を払ってください。
 ◯ 電車内において、偽の係員から声を掛けられた乗客が、有効な切符を持たずに乗車していたとしてその場で現金を要求される事案が発生しています。公共交通機関に乗車する際に有効な切符を所持することは必要ですが、正規の係員が罰金としてその場で現金を要求することはないので、相手の身分をよく確認するようにしてください。
 
2 テロ情勢
 昨年秋以降、フランス、オーストリアなど欧州各国でテロ事件が発生しています。近年は単独犯によるテロや一般市民が多く集まる場所(ソフトターゲット)を標的としたテロが頻発しており、今後も引き続きテロの発生が懸念されます。特に、観光施設周辺、イベント会場、レストラン、ホテル、ショッピングモール、公共交通機関等の人が多く集まる場所や、教会やモスク、シナゴーグ等の宗教関連施設を狙ったテロに注意が必要です。
 ドイツ国内においても、昨年10月、ドレスデンにおいて観光客2人が刃物で襲撃されるテロ事件が発生したほか、各地で、テロを計画した容疑者やイスラム過激主義者、極右過激主義者らが治安当局に相次いで摘発・逮捕されるなどしており、ドイツ国内は依然としてテロの脅威があると言えます。
 常に最新の情報の入手に努めるとともに、テロの標的となりやすい、多くの人が集まる場所を訪れる際には、安全の確保に十分注意を払ってください。
 
3 大規模デモ・集会時における各種犯罪被害防止と衛生対策
 昨年夏以降、ベルリン、ライプツィヒ、ドレスデンなどの大都市において、コロナ規制に反対する大規模なデモ・集会や、これに対するカウンターデモが行われています。これらのデモ・集会では、一部の参加者と警官隊が衝突したり主義主張が異なるグループ同士が衝突するなど、度々暴動事件に発展しています。
 特に、8月1日に行われたデモは、申請が不許可となったにもかかわらず強行されたもので、参加者の一部が暴徒化するなど、計900人以上の逮捕者が出ています。
 また、デモの参加者が密集することにより対人間隔が十分に確保されていないケースや、参加者の一部がマスクを着用していないケースが見られるなど、衛生上の問題が指摘されており、新型コロナウイルスの感染拡大に影響を与えたとする研究結果に関する報道もありました。
 常に最新情報の入手に努めるとともに、不測の事態や無用なトラブルに巻き込まれないよう、十分ご注意ください。また、暴動事件に遭遇した場合は、現場の警察官の指示に従い、速やかにかつ落ち着いてその場から離れてください。
 
4 薄暮時間帯の交通事故防止
 ドイツ国内では、年間260万件以上の交通事故が発生しており、30万人以上が負傷しています。
 ドイツ国内の道路は整備された場所が多く、一般的に交通ルールは遵守されていますが、優先権がある自動車や自転車がスピードを緩めずに突っ込んでくることもあり、特に交差点上で事故が多く発生しています。また、最近では、Eスクーターの利用者が歩行者や車両に衝突する事故も発生しています。
 加えて、これからの時期は、日の入り時刻が早まることにより、薄暮時間帯の交通事故の発生が懸念されています。
 交通事故を起こさない、交通事故に巻き込まれないために、次の点にご注意ください。
 ◯ 運転者、歩行者共通
 ・交差点での安全確認を徹底すること
 ・危険な運転をする車両を見かけた場合にはその場から離れるなど、自己防衛の行動をとること
 ◯ 運転者
 ・制限速度を遵守すること
 ・早めに前照灯を点灯すること
 ◯ 歩行者
 ・道路を横断する際は横断歩道を渡り、信号は必ず守ること
 ・夜光反射材を活用すること
 
5 新型コロナウイルスに関連した犯罪への注意
(1)世界各地で新型コロナウイルスに関連した次のような犯罪が発生していますので、被害に遭わないように十分ご注意ください。
 ◯ 保健所職員を装った犯人が居宅を訪問し、新型コロナウイルス感染症の検査と称して住人の不安を煽り、隙を見て居宅に侵入し、金品を盗む窃盗事件
 ◯ 医者を装った犯人が治療等の名目で電話を架け、犯人グループの一人が居宅を訪問し、嘘の新型コロナウイルス感染症の検査を行い、検査費用と称して現金をだまし取る詐欺事件
 ◯ 偽物の医療器具やマスク等を法外な値段で売りつけ、現金をだまし取る詐欺事件
 ◯ 国境沿いにおいて、偽の警察官が通行人に声をかけ、国境通過料金等と称して現金をだまし取る詐欺事件
 ◯ 地下鉄利用者に対し、偽の警察官が声をかけ、州を跨ぐ移動の許可証を所持していないとして罰金を騙し取る詐欺事件
 そもそも、保健所職員や医師等が新型コロナウイルス感染症検査等のために、突然、居宅を訪問することはありませんし、その場で検査費用等のお金を請求することはありません。また、警察官がみだりに金品を要求することはありませんので、日頃から落ち着いて行動し、不審な人物から声をかけられても相手にせず、その場を立ち去る、または状況に応じ警察に(110番)通報してください。
 また、見知らぬ人が居宅を訪問したら玄関を開けずに用件を十分に確認し、不審に思ったらすぐに警察に通報してください。不審な電話を受けた時も相手が誰かよく確認する等、落ち着いて対応してください。
(2)その他、新型コロナウイルスに乗じたフィッシング詐欺などのサイバー犯罪についてもご注意ください。
○金融庁
https://www.fsa.go.jp/news/r1/ginkou/20200407/20200407.html
○一般財団法人 日本サイバー犯罪対策センター
https://www.jc3.or.jp/topics/newmodel_coronavirus.html
○一般社団法人 全国銀行協会
https://www.zenginkyo.or.jp/topic/covid19-fraud/
○京都府警察
https://www.pref.kyoto.jp/fukei/anzen/seiki_h/cyber/cyber02.html
 
6 日本企業の安全に係る諸問題
(1)日系企業を狙った振り込め詐欺
 日系企業を狙った振り込め詐欺が散発的に発生しています。本邦にある本社の代表電話、本社ドメインを有する(又は酷似した)メールアドレスから、実在の社長や取締役名でドイツ現地法人に対し、「水面下で進めているプロジェクトに関して、今すぐ弁護士にメール連絡を取ってほしい」「至急指定の口座に資金を振り込んでほしい」「このオペレーションについては厳に秘密に願いたい」といった連絡があり、信用して振り込んだところ、多額の資金をだまし取られたといったケースです。
 金銭の振り込みにかかる電話やメール連絡については、たとえ知人や本社の電話番号やメールアドレスであったとしても安易に信用せず、メールの要求内容や発信元メールアドレス等の不審点を十分に吟味するとともに、単独で判断することなく(かかってきた電話やメールにそのまま返信するのではなく)、必ず別の手段で家族・友人又は社内幹部に確認をとるなど慎重に対応してください。また、不審メールには返信しないようにしてください。
(2)その他振り込め詐欺
 在留邦人が被害者となる様々な手口の詐欺事件(振り込め詐欺)が発生しています。例えば、インターネットを通じて面識のない不動産業者と賃貸借契約を交わし、鍵の受け渡しの条件として前金を振り込んだが、その後音信不通となり、多額の現金を騙し取られたといった詐欺事件が横行しています。名の知れた大手の不動産業者であってもインターネットを利用した安易な商取引には十分注意するとともに、銀行振り込みや商取引の際には,できるだけ一人で対応せずにご家族やご友人に相談し、振込先の安全性を十分に確認する等細心の注意を払ってください。
 
※ 外務省では、「ゴルゴ13の中堅・中小企業向けの海外安全対策マニュアル」を作成し、海外安全ホームページ上に掲載しています。この度、コロナ禍における安全対策の部分が新たに加わりましたので、各種安全対策にお役立てください。
https://www.anzen.mofa.go.jp/anzen_info/golgo13xgaimusho.html
 
※ 3か月以上の滞在は「在留届」、3か月未満の渡航・滞在は「たびレジ」にそれぞれ登録してください。