ベルリン州における防疫措置(その2)

令和2年3月19日
3月17日,ベルリン州政府は記者会見を行い,カライチ保健大臣,ポップ経済大臣がベルリン州の新型コロナウイルス対策に関する措置について発表したところ,概要以下のとおりです。
 
【ポイント】
●昨日メルケル首相が発表した方針は、ベルリン州は基本的には既に実施済み。
●ベルリン州内において協議した結果、昨日メルケル首相発表の指針に、以下の通り若干の修正を加えることとした。
(1)既に市民に大幅な制限を強いていることもあり、(メルケル首相の指針では閉鎖することとされている)子供の遊び場及び動物園については、ベルリン州は閉鎖しないこととした。感染リスクを避けるため、遊ぶ子供たちの間の距離を保つよう注意してほしい。
(2)(メルケル首相の指針で18時に閉店することとされた)レストランについては、18時以降は店内で食事はできないものの、18時以降も、宅配サービスや事前に注文した商品の受け取りは行えるようにする。
●その他、企業を支援するための措置(特に中小企業が倒産しないように支援)、緊急病院の新設計画等につき説明。
 
 
【本文】
1 ベルリン州は,メルケル首相が16日に発表した各州と連邦政府間で合意した「コロナウイルス拡大防止指針」の大部分は,14 日に公示した「ベルリン州におけるコロナウイルス封じ込め政令」により,既に実施済みである。17日,ベルリン州では同指針の各項目について協議し,一部は州の状況に合わせて修正した上で,18日に政令として公示する。州政令は同日発効する。現時点では,対策実施期間は4月19日までとする。今後の状況を見ながら,その後の対応を決めていく。
 
・各州・連邦政府間合意(指針)と異なる点は以下のとおり。1.5mの距離を保つなど,衛生上必要な措置を取ることを前提とする。
 
・小売業ポジティブリスト(注):
→ 自転車店,夜間営業グロサリーストア(Spätkauf)を含める
 
・閉鎖対象となる施設:
公園や動物園は閉鎖対象から外す
 
・飲食店:
ベルリンでも店内で食事ができる時間帯は6時から18時とするが,18時以降も宅配サービスや注文した商品の店内受け取りは可能とする
 
(注)
営業可能な店舗のリスト(ポジティブリスト)の全体は以下のとおり:
食料品店(軽食店Imbiss,パン屋含む),飲料品店(夜間営業グロサリーストアSpätkauf含む),野菜や食品を販売する青空市,宅配サービス・受け取りサービス,薬局,医療用品店,眼鏡店,補聴器店,ドラッグストア,ガソリンスタンド,自転車店,DIY店,園芸用品店,ペット用品店,銀行,郵便局,美容院,クリーニング店,コインランドリー,葬儀社,手工業(自動車整備その他),手工業用品店,卸売業,新聞販売店,書店
 
2   医療関連の措置 (ベルリン州独自の対応)
・医療施設:4段階の感染拡大対応準備
1)救急指定病院は,新型コロナウイルス感染症の症状を3レベルに分けて,患者のレベルに応じて収容する病院を指定
2)人工呼吸器の設備拡充
3)医療的観点から計画可能な手術の延期
4)新型コロナウイルス感染症救急病院(最大1000床,軽症者の収容も前提)を連邦軍及び公立病院と連携し,設置する。既存の病院に代わる施設ではなく,病院の収容キャパシティを超えた場合の予備的施設として位置付ける。場所はベルリン・メッセ会場内を予定,ドイツ連邦技術支援庁(THW)アルブレヒト・ブレメ元会長がプロジェクトリーダーに就任。詳細はブレメ・プロジェクトリーダーが関係諸機関と協議する。
 
3   中小企業や自営業者の経済的支援についても協議決定した。収束後,第2段階の支援措置としてデジタルインフラ強化のための投資や減税なども検討する。